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新年のご挨拶

 みなさん 新年おめでとうございます。


 私たち「市民の会」は、昨年3月1日(ビキニデー)に正式発足しましたが、準備会として動きだしてから、ちょうど1年が経ちました。そのころは、湯川秀樹旧宅がどのようになるのか、行方が定まらない状況で、湯川家の皆さん、京都大学理学部や基礎物理学研究所のOB・OGの皆さん、そして私たち「市民の会」準備会の面々で、正月を挟んで密接に情報交換しながら、各方面への働きかけをしていました。

 最終的には、「湯川秀樹旧宅を、京都大学に取得してもらい、大学関係者だけでなく多くの市民の皆さんにも活用してもらいたい」という、ご家族の強い思いを受け止めていただいた京都大学の湊長博総長の決断で、無事、京都大学への移管が実現しました。

私たち「市民の会」は、大きな目標として、<湯川秀樹旧宅と庭園を、遺品や資料類とともに、京都大学の下で永く保存・活用すること>を掲げて発足しましたので、その目標のひとつが実現したことを、大いに慶んでおります。

 9月に入り、京都大学の記者会見に合わせて、私たち「市民の会」も記者会見をし、市民の立場から旧宅の保存・活用の仕方を提案するだけでなく、旧宅のなかに眠っている膨大な資史料の調査と目録作り、保存に関わる問題提起も行いました。

 ここで、その後の状況を簡単にお知らせしておきたいと思います。まず、9月初旬に、旧宅にお住まいであったご家族が、京都市内の新居に転居されたあと、本格的な片付け作業を、京都大学の担当職員のみなさんと、江上事務局長を中心に継続的に行っています。その調査過程で、これまで知られていない未見資料や遺品も見つかってきています。崩壊が激しくすぐにでも適切な保存措置が必要な貴重資料については、京都大学博物館の収納庫に移管することも行っています。今後、京都大学で保存すべき遺品類や資史料類の分別、移管作業を行い、2022年から開始される予定の改修工事に備えていきたいと考えています。

 また、改修工事についても、できるだけ旧宅と庭園の現状保存を行うとともに、周辺の環境に合わせて、市民にも開放されたデザイン・設計にするよう、申し入れています。

 併せて、「市民の会」のもう一つの事業分野である<湯川秀樹旧宅及び秀樹・スミご夫婦についての講演会、見学会、学習会、企画展示などの事業>についても、今年1月23日から開始される、NPO法人あいんしゅたいん主催の「オンラインサロン“続・湯川博士の贈り物”」の共催団体の一つとなり、物理学に関わる専門的な領域を超えて、短歌やエッセイの優れた詠み手・書き手であった湯川秀樹の全体像を、こどもにもわかるように知らせたいと考えております。ちなみに、1月23日は、湯川秀樹の誕生日でもあります。どうぞ多くの皆さんに、気軽に視聴していただきたいと思います。

 「市民の会」としては、今年一年、さらに調査や情報発信事業を活発にしていきたいと考えているところですが、まだまだ財源的にも、人的にも、十分な体制が組めていない状況にあります。ぜひ、多くの市民の皆さんに、私たちの会の会員になっていただきたく、改めてお願い申し上げる次第です。

 本年も、よろしくお願いいたします。


​2022年元旦

湯川秀樹旧宅の保存と活用を願う市民の会

          代表  岡田知弘







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